リストの協奏曲
リストのピアノ協奏曲には、近年発見された第3番も含めると、合計3曲の作品が知られています。
協奏曲のなかでも最も有名な作品は第1番です。1832年からスケッチが書き始められ、3度の改訂が成された後に、1855年にドイルのワイマールで初演されました。
協奏曲という音楽ジャンルは、3つの楽章から成り立つのが伝統としてありましたが、リストが作成した協奏曲は、4つの楽章が切れずに続けられるという独創的な構成を成していました。
これが原因となってか、批評家達のなかには酷評をする人が多くいました。リストの作風を支持していない批評家には、第3楽章で使われるトライアングルを揶揄して「トライアングル協奏曲」と呼ぶ人もいました。ピアノが美しい旋律を奏でるだけでなく、管弦楽にも大きな役割が与えられた協奏曲は、当時あまりにも前衛的で、受け入れやすい作風ではなかったようです。
第1楽章は行進曲のような勇ましい主題で始まり、ピアノはカデンツァを思わせる自由なパッセージで演奏します。曲の途中でノクターンのような美しい旋律を奏でる場面もあり、形式にはまらない自由な作品になっています。
第2楽章は不気味な序奏が弦楽合奏で始まり、ゆったりした旋律が流れます。
第3楽章はトライアングルが登場し、スケルツォ的です。3拍子のリズムに対向するようなリズムで展開します。
第4楽章は、第1・第2楽章を組み合わせたように演奏されます。
自由な作風ですが、統一性をもった自由をリストが追求した作品です。